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2007年7月27日 (金)

知らない世代だから

戦争のことは怖いから見ずにすませようとしてきた。

でも、私たちが知らなければ、下の世代に伝える人がいなくなる。

そのことの方がずっと怖くないですか

7月20日、朝日新聞の夕刊に掲載された、

女優・麻生久美子さんのインタビュー中の言葉です。

何が怖いか。私も同感です。

戦争を知らない世代です。

それは日本が「戦争を永久にしない」としっかり定めているから、

自国の戦争を知らないということ。

世界では絶えず戦争がある。小さい頃からニュースで見聞きしている。

4歳、5歳でも、間違ったこと、あってはいけないことだとわかる。

以前、10代の若者に、8月15日は何の日か尋ねているテレビを見ました。

満面の笑みで「誰かの誕生日?」と答える少女をみて、「怖い」と感じました。

子どもの頃、8月6日は必ず登校日で、

原爆投下で亡くなった広島の人たちに黙祷を捧げました。

15日の終戦記念日も、家で必ず黙祷。

毎年、夏には戦時中の人々を描いたスペシャルドラマが放送されていた。

ドラマも、ニュースで流れる世界の戦禍を見るのも、

正直、恐ろしいので嫌です。

でも、子ども心に2度とあってはいけないことだから、知らなければいけない。

知らないと、おとなになったとき、戦争をNOだというバトンを受け取れない、

と思って見続けてきました。

麻生さんが仰るように、今、自分の世代はしっかり考えなければいけない。

“NOバトン”をしっかり受け、下の世代へ伝えなければいけない。

という思いを強くするきかっけは、2年前、

TBSで放送された『広島・昭和20年8月6日』というドラマ。

昭和20年7月16日から8月6日に、原爆が投下されるまでを描いたドラマ。

小さいときより、歳月の分、いろいろな角度に思いを馳せながら見ました。

より具体的に感じるからこそ、ショックと憤りが強くなっている。

実際の被爆者の写真が流れるエンドロールを見届けた後、

顔を泣き腫らしながら、しばし呆然。

いつもはグッとのめり込んで見た作品も、

役柄のイメージを引きずって役者を見ることはありません。

が、あのドラマは、松たか子さんと玉山鉄二さんが特に印象に残り、

しばらく引きずりました。

それぞれ別の作品に出ていらしても、ドラマの場面が思い出されてしまう。

洗剤の香りにウットリしているおもしろCMを見てさえ、

涙が出そうになって困りました。

役者の演じたものを引きずる、というはじめての経験。

それだけ、考えるべき年齢なのだと自覚したゆえ、と思います。

大きなターニングポイントになりました。

戦争を知らない世代の弱さは多々あれど、だからこその強さもある。

知らない世代だから。

あってはいけないこと、命が失われることだということ。

想像を絶する悲しみがたくさんあること。

世界中では今尚、続いていることを知ろうとしなければ。

戦争は絶対NOだということを、一人ひとりが思い続けるべきではないかと。

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コメント

この前山口に旅行に行った時、広島にも行きました。私は広島も初めて行ったので、「平和記念公園」に行きました。資料館にも行き、多くの人がいました。特に目立ったのは外国人の人。皆、熱心に見ていました。当時の着ていた服、持っていて黒こげになった手をつけていないお弁当箱。どれも遺留品ですが、見ているだけで胸がいっぱいになり胸が苦しくなりました。
私ごとですが、実は昔、私は「ひめゆりの塔」という舞台に出させていただいたことがあるんです。有名な沖縄が舞台の戦争の話です。もちろん台本をいただいて、私は看護婦の役だったのですが。
どう演じていいのか悩んでた時、たまたま沖縄に母と行くことになり「ひめゆりの塔」を見てきました。思っていた以上に、とても悲惨で言葉にはできない状態でした。「ひめゆりの塔」の舞台は私にとって思い出深い舞台となりました。
戦争の怖さ、恐ろしさを知ってる人がだんだんと少なくなってきています。戦争は人間だけが起こすもの。今生きている、戦争を知らない私達が、戦争の恐ろしさを後世に伝えていかなくてはならないと。
今も、世界の裏側で戦争のために苦しんでる人が沢山いることを忘れてはいけないですね。

投稿: れい | 2007年7月27日 (金) 23時53分

れいさん、こんばんは☆
広島の平和記念公園、私も行ったことがないので、いつか行きたいと思っています。そして、長崎、沖縄も。れいさんが胸が苦しくなったように、きっと辛いと思いますが、しっかり知りたいです。
戦争を描いた作品を見るだけでなく、実際に舞台に立ち、沖縄に起こってしまったこと、痛みを表現して伝えていらしたんですね。
ニュースで現実に起こっている戦禍を知る。それとは別に、芝居や歌が、文化が伝える役割も大きいと思います。人がいて、生活があって、一人ひとりに人生・ドラマがある。それを奪う戦争。「あってはいけない!」と沁み込むように感じ、考えていくようになるのに、文化から伝わったものは大きかったです。
人間が起こすものである戦争。武力に武力ではなく、いろいろな角度から戦争をNOだと示し続ける。
それがいちばんの力、そうでなければいけないんですよね。

投稿: 蓮 | 2007年7月28日 (土) 18時54分

広島に生まれ、広島に育った私は、ずっと広島や長崎の“原爆投下”の事をあってはならないことだと思ってきました。ついこの間、政治家の人が発言された事で、どれだけ被爆者や遺族の人が傷ついた事か。
広島や長崎の人にとって、まだ戦争は終わっていないんです。戦後60年もたっても。ずっとずっと生きている限り、忘れる事はないと思います。忘れてはいけないと、そう感じています。また、広島に“あの日”がやってきます…平和ボケしている日本人がたくさんいるように感じられ情けなく思う私…。

投稿: グッピーちゃん | 2007年7月28日 (土) 21時16分

戦争を伝えるのって難しくなってきましたよね。

私も、戦争を知らない世代です。

夏になると戦争関連のドラマがやりますよね。
最近はいろいろと視点を変えて作られたりしていて
若い人にも受け入れやすくなって来ていると思います。

正直、できれば避けて通りたいような気もしますが
後世に伝えていかなくてはならないと思っています。

投稿: 寝起きのパンダ | 2007年7月29日 (日) 06時12分

グッピーちゃん、こんにちは☆
自分の住んでいる地域ではないから、行動範囲ではないから、というのは言い訳にはならない。
戦争で亡くなった人、被爆した人、遺族がいること。起こった事、出来る限り知ろうとするべき、
考えるべきだと思います。そして忘れてはいけないのですよね。
「まずひとありき」がなく他人事だから、信じられない発言がでるのではないかと思います。
「永久に戦争をしない国」だからこそ、もっと一人ひとりが誇りを持ち、考えていけるはずではないかと。
本来は。“平和ボケ”ではいけないのだと。


寝起きのパンダさん、こんにちは☆
戦争を知らない世代の方が多くなっている今、しっかり知ろうとしなければ、
後世の人たちに伝えるのはもっと厳しくなりますよね。
何年か前に明石家さんまさんが主演した戦争ドラマを見た女子高生が、
「泣けた」「(戦争を)あんなのダメだよね」と言っているのを聞いたことがあります。
発信されれば、ちゃんとキャッチされるのだと思いました。戦争を描いたドラマは絶やさないでほしいです。

投稿: 蓮 | 2007年7月29日 (日) 17時18分

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