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2007年2月 9日 (金)

東大寺を建てたのは、大工さんです

タイトルの言葉は、水上勉さんの著書『女ごころ風景』の中の一文です。

詳しくは、

「東大寺は誰が建てましたか」という宿題が出て、「大工さんが建てました」

と答案用紙に書く子供を歓迎する。(略)大工や左官や木挽きが、延べ何万人

の労働者と共に狩りだされて、大きな大仏殿が建立された(以下略)

教育について述べられた話の一節。

この箇所が好きで、「うんうん」頷きながら読みました。また同書の別ページでは、

金閣寺の鳳凰堂を建てたのは誰かと尋ねられたら、「大工さんです」という答えが

好きだと語り、義満が手を汚して堂を建てたわけではない。無名の大工や左官や

瓦師の力で国宝級の建物が今尚残存している、というようなことが書かれています。

確かに子供の頃、教科書でピラミッドを見たとき、

いったいどれくらいの人で造ったのかな。昔は便利な機械もないよね、大変だな

と思いました。まあ、子供でしたから単純に、重いものを担いで必死にがんばって、

結局「ファラオが建てました」と片づけられるのは悲しいね、と思っただけですが。

水上さんの本を読んで、子供の頃感じたことの補足をもらった気がしました。

水上さんは、鳳凰堂の話を「そういう凡庸の智識を社会から学んだ」と述べています。

しっかりと「おとな」になるための、自分に即した「おとな」を磨いていくための、

ヒントを見つけたように思います。

物事を平面だけではなく、立体で見ることが、自分を人として躾け、成長させてくれる。

そういえば1年前の日本アカデミー賞のとき、

吉永小百合さんも、薬師丸ひろ子さんも受賞スピーチで、

一緒に映画をつくり上げたスタッフの人たちに思いを馳せていらっしゃいました。

私の映画、俺の番組というニュアンスの発言をする役者やタレントもいます。

「誰々の映画」とひとは捉える。すると、役者だけのもののようですが、

大勢のひとでつくっている。

吉永さんも、薬師丸さんもそのことを心から感じているからこそのスピーチだった、

そう思います。だからこそ、あんなに素敵なのだろうと思います。

「素敵なおとな」への道に、「謙虚」も不可欠な大切なものですね。

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コメント

全然謙虚でない私。謙虚どころか・・・ダメな大人・・・。
子供のステキな所は、心がきれいな事。純粋な気持ちでいられる事。
ピュアな精神、見習いたいものです。

投稿: グッピーちゃん | 2007年2月10日 (土) 15時50分

グッピーちゃん、こんばんは☆
グッピーちゃんは謙虚ですよ!
ダメな大人だなんて、そんなことないです!!
ブログを拝見しいてそう思います。
本当に謙虚じゃないひとは、「自分は謙虚だ」というようなことを言う人が多い気がします。

投稿: 蓮 | 2007年2月12日 (月) 17時49分

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